犬にとってお留守番とは?
犬にとって留守番とは、もともと苦手なものです。
仲間意識が強く、他の犬と一緒に行動することを好む動物ですので、ひとりになることはとにかく不安な事なのです。
出来ることならいつも一緒にいてあげたいものですが、もちろんそういうわけにはいきません。
どうしてもお留守番をさせることになってしまうのならせめて愛犬にとってストレスがなく、楽しいものにしてあげましょう。

まずは犬が穏やかに暮らすためには、身も心も健やかであることが大切です。
どのしつけにも当てはまるのですが、犬が常にイライラしていると、しつけはなかなかうまくいかず、その結果、飼い主さんもとっても疲れることになります。
と言っても、人間が健やかであるのと犬が健やかであるのはちょっと違います。
飼い主さんが犬の欲求をよく知り、その欲求を満たしてあげることで犬は安心し、穏やかな性格となり、しつけもスムーズに行うことができるのです。
以前「あまがみを止めさせる方法で」犬の5大欲求をご紹介しましたので参考にしてください。
それでは、「犬のしつけきちんとブック」に基づき、実際に我が家が実践して、徐々にお留守番上手になっていった方法をご紹介します。
出かける前の30分は、犬に興奮させないようにしましょう
まず、飼い主さんが出かけることを犬に悟られないようにしましょう。
最初は私も、「お留守番させてごめんね~」という気持ちが強く仕事に出かける前は、よりスキンシップを心がけ、たくさん話しかけ、留守中の分の愛情を注いでいるつもりでいました。
でも、愛犬にとっては、その後急に一人ぼっちになり「え?もっともっとあそびたかったのに。」というがっかりな気持ちや、急に楽しい時間が中断してしまい、納得でいない状況になってしまいます。
この落差、よくよく考えてみると残酷ですよね。
何かを期待すると、裏切られたときのがっかりが大きい…
何も期待しなければ、イライラすることもない。
これは、人間にもよーくわかる心理です。

自分は愛情を注いでいたつもりでしたが、愛犬にとってはその後の気持ちをどこに持って行ったらいいのか分からない状況になってしまっていたのです。
なるほど!と思い、実践した見たのは下記の3つの方法です。
出かける前は必要以上に犬にかまわない
無視するのではなく、あくまでも普段通りに接してください。
「行ってきます」はさらっと。
黙っていくのはさすがに飼い主として心が痛みますよね。
でも「ごめんね。」とか言いながら抱きしめたりすると、犬は不安や興奮をつのらせてしまうそうです。
「行ってきます!」と穏やかな声でさらっと言って出かけましょう。
出かけるパターンを覚えられないようにする
- メイクをする
- 洋服を着替える
- なんだかバタバタしだす
これは私の出かける前の一連の流れですが、こういう動作で犬は留守番と結び付けて不安になったりするそうです。
この行動で犬がソワソワしないように、出かける前の分かりやすい行動は犬にばれないようにした方がよさそうです。

犬がおもちゃで遊んでいる間に出かけるのも、なんだかごめんねって感じですが、犬にとってはショックが少なく、よい場合もあります。
たったこれだけ?って感じですが、
この、「さりげなく出かける」をしばらく貫いたところ、後追いしていたもこちゃんも、「行ってきます」とさらっと声をかけるとさらっとチラ見で返すだけになりました。(ちょっと寂しいけど。)
きっと、朝別れたショックを引きずって一日過ごすのと、そうでもなくなんとなく別れて、穏やかに一日過ごすのとではお留守番のストレスも変わってきたのだと思います。
むしろ今は、お留守番をストレスとは思っていないようです。
愛犬のためにも、「お留守番=嫌な事」ではなくならせることが大切です。

それでも留守番中に困った行動をするわんこは?
いくら朝さりげなくお別れをしても、お留守番中にいろんな刺激で問題行動をしてしまうわんこも多いようです。
問題行動に合わせて、その刺激を減らしてあげるのも一つの手段です。
また、完全に愛犬の問題行動を禁じるだけでなく、その行為をしなくていいような、又はしても怒らなくてよい環境づくりも必要です。


吠えちゃう
吠えちゃう犬は、外から聞こえてくる音や見える人間や猫などに吠えることが多いです。なるべく外が見えないように、カーテンを閉めて出かけたり、出窓に上がれないようにしてみたり…少し刺激を減らしてみましょう。
飼い主としては、退屈だろうから窓の外を見せてあげようとも思いますが、その刺激がない方が、犬は落ち着いて過ごし、吠えることもなくなります。






トイレを失敗しちゃう
普段はちゃんとトイレで排せつができるのに、お留守番の時だけ失敗しちゃう子は、「不安」が原因かもしれません。
犬にとって排せつという行為が緊張感を和らげる効果があるため、留守番中は不安のあまりいろんなところで排せつをしてしまう場合もあるようです。
まだお留守番になれていない間は、そういう不安から失敗してもいいように部屋中ペットシーツを敷き詰めるなどの対処をしながら、お留守番に慣れるトレーニングを進めていきましょう。お留守番の不安がなくなれば、普段通りトイレで排せつをするようになるでしょう。






いたずらしちゃう
留守番中に限っていたずらする子は、やはり不安や不満が原因の場合が多いようです。
まだ留守番になれない間は、広めのサークルやケージを作ってあげて、いたずらできない環境を作ってあげる方がいいでしょう。
サークルやケージには愛犬が好きなおもちゃを入れておき、留守番中だけではなく普段の生活中にも、そのサークルで楽しく遊ぶ習慣をつけておけばサークルに入るのを嫌がることがなくなります。
愛犬のしつけに関して全体的に言えることは、やはり愛犬の心を満たしてあげることで不安や不満は確実に減ります。


犬にもちゃんと心はあるのです。
甘えたいときにはスキンシップをいっぱいして、心を満たしてあげましょう。
エネルギーを発散させてい時には、お散歩や家の中の遊びでたくさん体を動かせてあげましょう。
心が満たされれば、穏やかな性格となり、問題行動は減ります。
犬によっては、お留守番が大好きな子もいるようです!
なかには、こんなにお留守番中くつろいでいるわんこも!


- 山と渓谷社 『犬のための家庭の医学』
- 主婦の友社 『飼い主のための犬種図鑑ベスト185』
- 西東社 『子犬の選び方・飼い方図鑑』
- 主婦の友社 『子犬の選び方・飼い方』
- 日東書院 『人気の犬種図鑑174』
- 新星出版社 『世界の犬カタログ』
- 日本文芸社 『犬のベストカタログ』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「トイレ上手になる」編』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「留守番上手になる」編』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「吠えグセ解消」編』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「かみグセ解消」編』
- 緑書房 中西典子著 『犬とのよりそイズム』