こちらの記事でもお伝えした通り、犬は噛むことを悪いことと思ってはいません。
もともと噛む動物をペットとして迎えたわけですから、当然しつけをして「噛まない犬」にしてあげる事が、愛犬との幸せな生活の始まりです。
子犬の頃にあまがみをなおせなくて、本気で噛んじゃうようになった場合も、愛犬が噛む理由を理解し、飼い主さんの愛情でしっかりしつけをし直してあげましょう。
「噛んだら叱る」というようなしつけではなく、なるべく噛まない環境を作ってあげることで、「噛む」という行為をしない犬にしていきます。
まずは噛んでしまうシーン別に、なるべく噛まない環境を作ってあげます。


ごはんタイムの噛みグセ
食事タイムに噛んでしまうといっても、そのタイミングは様々です。
タイミングごとに対処法を考えてみましょう。
ごはんの準備中に噛む
飼い主さんがごはんの準備をしているときに、待てずに突進してきたり噛んでしまった場合、ついそのままごはんをあげたりしていませんか?
その場合、噛むとすぐにごはんをくれると学習し、ごはんの準備をするたびに噛む子になってしまいます。








どうしたらいい?
- 準備をしている飼い主さんの近くに来れないように、柱やドアノブなどにリードで
つないでおきます。 - 静かに愛犬に近づき、1つだけフードを床に落とします。
- それを食べている間にごはんを置き、飼い主さんは立ち去ります。
なかには、なぜか食器に執着して噛んでしまう犬もいるようです。
そのような場合には思い切って食器を使うのを止めてみる(床にフードをばらまく)など、意外な方法で噛むことがなくなる場合もあるようです。


ごはんの最中に近寄ると噛みつく
ごはんを食べているときにうなったり、近くを通っただけで噛んだりする子もいるようです。










どうしたらいい?
愛犬が一生懸命に食べているときに食器や体に触るのはもちろん、じっと見ていたりしないで、なるべく知らん顔をしておきましょう。
こぼれたフードを拾ってあげるのも、犬にとっては「取られる!」と思って咬むことも。
また、うなったり噛んだりしたことを叱るためにごはんを取り上げると、より執着するようになるのでやめましょう。
食器を片付けるときに噛みつく
愛犬がみている前で食器を取り上げると、「食器=食事」と学習している犬にとってはごはんを取られるようで、つい怒ってしまいます。








どうしたらいい?
フードよりも好きな「おやつ」などで誘導し、そっちに気持ちが行っている間に、さっと食器を片付けましょう。
サークルの中で食事をさせ、終わったら出る習慣をつけることもいい方法です。
サークルから出たら、入れない状態にして食器を片付けます。
遊んでいるときの噛みグセ
おもちゃで遊んでる場合も、飼い主のものを取って逃げるのも、愛犬にとってはどちらも遊びです。
その中で噛んでしまうのはそれぞれの理由があります。


おもちゃで遊んでいるときに噛みつく
おもちゃが大好きな愛犬♪と聞けば可愛いのですが、遊んであげてるつもりで
「ちょうだいちょうだい!」とせがむと
「ウーーーー」
と、とても遊んでいるとは思えない歯茎むき出し顔で、拒否をします。
そういう場合に面白がって続けてせがんでいると、ガブ!って噛むことも。








どうしたらいい?
遊んでいるときに取り上げようとするのは、もちろんやめましょう。
おもちゃ大好きわんこは、部屋におもちゃを出しっぱなしにしておくのも止めましょう。近くを通っただけで取られるのかと勘違いして咬んでしまう場合があります。
どんなおもちゃでも興奮してしまうわんこには、可愛そうですがおもちゃを与えないようにした方がいいかも。
その分、お散歩などで楽しませてあげて下さい。
飼い主のものをいたずらし、取り上げようとすると噛みつく
ゴミ箱の中のもの、スリッパ、靴下などの洗濯物など、咥えてはこっちをチラ見してきます。
完全に遊んでほしくていたずらしているパターンです。
愛犬の思い通りに追いかけて取り上げようとすると、興奮して噛んでしまうことも。








どうしたらいい?
そんなかまってちゃんな愛犬がかわいくて、ついつい追っかけるふりをしたくなるのですが…。
この場合、理想的な対処法は、無視です💦
それを取られてもこちら(飼い主さん)は何ともありません!と学習させます。
取り戻そうと追いかけっことすると、わんこの思うつぼ。
「これを取ったら遊んでもらえるのね!」と覚えてしまいます。
とはいっても、中には危険なものや大切なものなど、今すぐ取り返さなければいけない物も、もちろんあります。
その場合は、大好きなおもちゃやおやつをあげて、交換してもらいましょう。
ただし、この方法は緊急事態だけにしたいものです。「いたずらするとおやつがもらえる!」と覚えると、賢いわんこは、その行動を繰り返すことになります。
緊急事態につながるような物は、決して愛犬が届く場所に置かないようにすることです。


お散歩中に噛む
お散歩中に出会った犬や人を噛むことは、本当に避けたいですよね。
他の犬と仲良くしてほしい飼い主としての気持ちもありますが、無理強いはやめましょう。










どうしたらいい?
特に愛犬が苦手な人や犬を見分けましょう。
子供が苦手だったり、ある特定の人や犬が苦手だったり…。
愛犬が吠えそうになるタイミングを観察します。
苦手な相手とすれ違う時は、飼い主さんが壁となって、なるべく愛犬の意識がそちらに行かないようにしましょう。
くつろいでる時に噛む
愛犬が寝ているときになでなでしてあげたくなるのは当たり前のこと。
でも、愛犬の苦手な部分を触ったことで噛まれててしまう場合も。










どうしたらいい?
鼻・手足・耳・しっぽなど、先端部分は犬にとって敏感なので、寝ているときは特に触られたくないようです。
人間と同じように、睡眠を妨げられると犬も嫌なものです。
特に敏感な犬は、近くに気配を感じただけでも噛んでしまう場合もあるようです。
愛犬が迷惑そうなときは、犬の気持ちになって撫でたり触ったりするのをやめましょう。
普段嫌がらないのに、急に触られるのを嫌がるようになったら、体に痛みを感じている場合もあります。
どこを触ったら嫌がるかチェックし、病院に行きましょう。


最後に。
急に噛みつくようになったら、病気の可能性もあるようです。
脳腫瘍やてんかんなど神経性の病気が疑われる場合は、直接噛みつきを引き起こす原因となります。
そのほかにも、病気がイライラする原因を作り、それが噛みグセにつながってしまう場合もあるので、おかしいと思ったら病院へ行ってみましょう。


深刻な噛みグセが治らない場合は、プロの手を借りましょう
相談先はこのようなところがあります。
- インストラクター・トレーナー・訓練士
- しつけ教室
- 獣医師
愛犬に合った専門家を見つけて、根本か解決できる場合も多いです。
是非勇気を出して相談してみましょう。
うちのこは本気噛みではなく、あまがみなのよ…という方はこちらをどうぞ!