子犬が自宅にやってきたら、これから大切な命を育てていくということを、家族全員で自覚しましょう。
愛犬が健やかに育つためには、健康管理や予防注射、お薬など、しっかりとやらなければいけない飼い主の責任があります。

犬の登録
犬を飼い始めたら、生後90日くらいまでにお住まいの市区町村窓口へ、登録手続きをする必要があります。
登録の目的は、犬の所有者を明確にすることです。
これにより、どこに犬が飼育されているかを把握することができ、狂犬病が発生した場合にその地域において迅速かつ的確に対応することができます。

愛犬の健康管理
春
狂犬病ワクチンを打ちます。
一年に一回、自治体から狂犬病ワクチン接種のお知らせが届きます。
地域ごとに公民館等で行われているのですが、その日時で都合が悪ければ動物病院でも接種できます。どちらの場合も3,500円です。
注射を受けると「注射済票」が交付されます。
ドッグランによっては入る際に一年以内の「注射済票」の提示が必要な場合があります。

初夏
5月ごろから、フィラリアの予防を始めます。
フィラリアとは、蚊によって媒介され犬の心臓に寄生する虫で、恐ろしい病気です。
感染を放っておけば、夏を何回か過ごすたびに虫が蓄積され、重い症状があらわれ、手遅れになってしまいます。
愛犬がかわいそうなことにならないよう、しっかり予防してあげましょう。
11月くらいまで毎月一回の内服又は半年間隔で予防接種をします。
フィラリアの予防を始めるタイミングで病院に行き、血液検査でフィラリアに感染していないか調べます。
血液検査の結果に問題がなければ予防を始めます。
費用は、予防の方法、病院、犬種などによって異なるため、行きつけの病院で聞いてみましょう。
お薬はいろいろあり、うちの場合はお肉の味がするタイプのものが楽でした。
水に溶かすタイプはなかなか飲んでくれないのですが、お肉タイプはおやつ以上の食い付きです。

春から夏にかけて、ノミやダニの駆除をします。
愛犬がお散歩中に草むらなどを歩いてしまうと、ダニを連れて帰ってくることも。
一般的なお薬として有名なのが「フロントライン」
毎月、首元にお薬を垂らすタイプです。

うちはフィラリア予防のお薬にダニ予防が入っているものを使っています。
こちらは病院での処方になります。
夏
熱射病に気を付けます。
犬は裸足で歩くため、暑い日は道路の温度で肉球をやけどするのはもちろん、足の短い子にとっては、道路の暑さがお腹などの内臓まで影響するので、本当に危険です。
夏のお散歩は、早朝や夜の、気温が上がっていない時にするようにしましょう。
また、昼の気温が相当高かった日は、暗くなってもまだアスファルトに熱が残っている場合もあります。愛犬の立場になって、お散歩にふさわしい時間を選んであげてください。

食中毒に気を付けます。
食事が腐りやすくなるので、食べ残しをそのままにしておかないようにしましょう。
秋~冬
冬毛に換わる季節なので、こまめにブラッシングします。
犬は寒くても元気に外を走り回るイメージですが、そうでもないようです…。
寒い日は丸ーくなってますし、雪の中出かけてもすぐに帰ろうとします。
なので寒さ対策が必要ですが、暖房器具などでのやけどに注意しましょう。

1年を通して
年に一回、混合ワクチンの接種をします。
6種混合だったり9種混合だったり、病院によって進められるワクチンは違うようです。
我が家は下記の6種を毎年うち、元気に12歳を迎えております。
- 犬ジステンバー
- 犬伝染性肝炎
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬パラインフルエンザ
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬コロナウイルス感染症
ドッグランやペットホテルなどで予防接種証明書の提示が必要な場合があります。

愛犬の定期検診について
犬は6~7歳ですでに中年となり、白内障・心臓疾患・肝臓疾患・関節障害・腫瘍などの病気がみられるようになります。
犬は自分が具合悪くても、なかなか訴えることができないため、治療が手遅れになることも。
これらの病気の多くは血液検査や尿検査、レントゲン検査などで早期に発見することができるため、定期検診は受けた方がいいでしょう。

避妊・去勢について
犬が繁殖能力を持つのは、大型犬で8~10ヶ月後、小型犬で6~8ヶ月と言われています。
子供を産む予定がなければ、生後4~10ヶ月の間に避妊・去勢手術を受けた方がよいでしょう。
避妊・去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、メスは子宮・卵巣・乳腺の病気、オスは前立腺肥大や睾丸の腫瘍などを防ぐことができますし、オス・メスともに寿命が1年ほど伸びるとも言われています。
また、発情シーズンにも穏やかに過ごせるため、精神的にも安定します。
費用や入院期間などはそれぞれの動物病院によってさまざまですので、お近くの病院へお問い合わせください。
また、超小型犬など、避妊・去勢手術を行うことでリスクが生まれる犬種もあります。愛犬によってその方法が相応しいのか、そこに関しても病院でよく相談して下さい。

さいごに
犬を家に迎えるにあたり、飼い主の責任で、してあげなくてはいけないことがたくさんあります。
ここに述べたことだけではなく、日ごろの様子、食欲、便の状態を気にかけたり、しつけをしっかりして他人に迷惑をかけない様にしたりと、飼い主のやることはたくさんです!
また、この子はうちに来てくれて幸せになれたのだろうか…常に自分に問いながら愛犬に接することで、お互いが穏やかに優しく暮らせるのではないでしょうか。
犬には大変な癒しの力があり、目を合わせるという行為だけで幸せホルモンが出るという下記のような記事も注目されております。
麻布大学の菊水健史教授による研究では、犬とその飼い主が互いに見つめあったときに、人の体内で脳の下垂体から「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが分かった。 オキシトシンには心を癒やしたり、体の痛みを和げたりする働きもあり、犬と見つめあったときに人間の体内のオキシトシンは3倍以上に増加。
なぜ犬は人の心を癒やすのか?
最新科学が解き明かす4つのキーワード
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20190109/keyword.html
少し大変な部分もありますが、犬が与えてくれる愛や癒しはその何十倍も素敵です。
面倒臭がらずに、愛犬のためにしっかりと責任を果たしましょう。

- 山と渓谷社 『犬のための家庭の医学』
- 主婦の友社 『飼い主のための犬種図鑑ベスト185』
- 西東社 『子犬の選び方・飼い方図鑑』
- 主婦の友社 『子犬の選び方・飼い方』
- 日東書院 『人気の犬種図鑑174』
- 新星出版社 『世界の犬カタログ』
- 日本文芸社 『犬のベストカタログ』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「トイレ上手になる」編』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「留守番上手になる」編』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「吠えグセ解消」編』
- 高橋書店 『犬のしつけキチンとブック「かみグセ解消」編』
- 緑書房 中西典子著 『犬とのよりそイズム』